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「還元率1%」の罠にはまった話
クレジットカードを選ぶとき、最初に見るのはたいてい基本還元率だ。「このカードは1%」「あっちは1.2%」という数字で比較して、高い方を選ぶ。自分も2年前まではそうだった。
ところが実際に使ってみると、還元率が高いはずのカードからもらえるポイントが意外と少なかった。逆に、基本還元率0.5%のカードの方が年間の総還元額が上だったりした。なぜそうなるのか、1年間数字を追って分析した。
基本還元率が高くても「使えないポイント」では意味がない
ポイントには賞味期限がある
楽天ポイントは期間限定ポイントと通常ポイントで分かれていて、キャンペーンで付与される分の多くが期間限定(有効期限1〜3ヶ月)になる。楽天市場をよく使う人なら自然に消費できるが、そうでなければ失効する。自分は2022年に期間限定ポイントを約2,400pt失効させた。これは実質2,400円の損失だ。
OkiDokiポイント(JCBカードW)は有効期限2年と長めだが、ポイント数が少ないとAmazonギフト券への交換に最低500ポイント必要で、それを超えないと使い道がほぼない。自分は1年かけて480ptまで貯めたが交換できずに翌年に持ち越した経験がある。
ポイントの使い道の価値は均一ではない
「1ポイント=1円」で使えるかどうかが重要だ。カードによっては、1ポイントを1円として使えるのは特定の場面だけで、他の交換先は0.7円相当だったりする。
- Vポイント:Vポイントアプリで1pt=1円(Visa加盟店で利用可)、SBI証券で投信積み立てに使える
- 楽天ポイント:楽天市場で1pt=1円、楽天ペイで1pt=1円と使いやすい
- OkiDokiポイント:Amazonギフト券は1pt=3円相当(500pt=1,500円分)と高効率だが最低500ptの壁
- Pontaポイント:ローソンで1pt=1円、au PAYへのチャージも可能
この中で自分が一番使いやすかったのはVポイント。日常のVisaタッチ決済で自動的に消費できるので、意識しなくていい。楽天ポイントは楽天市場での買い物がないと使い道が限定的だった。
特約店の還元率こそが「実質還元率」を決める
実際の生活で試算してみた
自分の月の支出を整理すると大体こうなっている。
- コンビニ(セブン・ローソン):約18,000円
- マクドナルド:約4,000円
- スーパー(イオン):約25,000円
- Amazon:約12,000円
- その他(電気代・通信費・サブスク):約30,000円
合計月89,000円、年間約106万円がカード払いになる。
このパターンで各カードの年間還元額を計算した。
| カード | コンビニ・マクド | スーパー | Amazon | その他 | 年間合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三井住友NL(タッチ7%) | 18,480円 | 1,500円(0.5%) | 720円(0.5%) | 1,800円(0.5%) | 22,500円 |
| リクルートカード(1.2%) | 3,168円 | 3,600円 | 1,728円 | 4,320円 | 12,816円 |
| JCBカードW(Amazon4%) | 2,640円(1%) | 3,000円(1%) | 5,760円(4%) | 3,600円(1%) | 15,000円 |
基本還元率1.2%のリクルートカードより、特約店7%の三井住友NLの方が年間で約1万円近く多く還元される。コンビニとマクドだけで逆転する。
Amazonヘビーユーザーだとどう変わるか
仮に月のAmazon利用額が3万円に増えたらどうなるか(コンビニ・マクドが月1万円に減った場合)。
- 三井住友NL:コンビニ7%で8,400円 + Amazon0.5%で1,800円 + その他 → 年間約14,700円
- JCBカードW:Amazon4%で14,400円 + コンビニ1%で1,200円 + その他 → 年間約19,200円
Amazon依存が強い生活では逆転する。自分の消費パターン次第で最適解が変わる、というのがこのシミュレーションの核心だ。
年間利用額で還元の意味が変わる
年間50万円未満の人へ
月4万円程度のカード払い。このレベルでは、基本還元率の差が小さく、むしろ「入会キャンペーンのポイント」の方が大きい。楽天カードの入会特典が7,000〜10,000pt、JCBカードWが4,000円分のポイント、三井住友NLが最大5,000pt。この初期ボーナスを狙って作るのも合理的な選択だ。
年間100〜200万円の人へ
月10〜16万円のカード払い。ここから特約店と基本還元率の差が実額として大きくなってくる。年間100万円で三井住友NLとリクルートカードの差が4,000〜7,000円。200万円なら1万円以上の差になりうる。このレベルになると真剣に比較する価値がある。
年間300万円以上の人へ
月25万円以上をカードで払う人は、年会費有料のゴールドカードや三井住友ゴールドNL(年間100万円以上で翌年から年会費永年無料化)の選択肢も入ってくる。ゴールドの特典(国内空港ラウンジ・旅行保険)の価値が年会費を上回るかで判断する。
本当の「お得」に必要な3つの視点
1. 自分の消費パターンを把握する
「よく行く店」「よく使うサービス」に特約店還元がある方が、高い基本還元率より得なことが多い。家計簿アプリ(マネーフォワードMEや家計簿Zaim)で1ヶ月の支出カテゴリを確認してから選ぶと失敗しにくい。
2. ポイントを消費できる仕組みを持っているか
どんなに多くポイントを貯めても、使い道がなければ意味がない。ポイントの使い道が自分の生活圏と重なっているか確認する。楽天ポイントは楽天経済圏外の人には合わない。Vポイントは日常のVisa加盟店で使えるため消費しやすい。
3. 管理のコストを見落とさない
複数カードを使い分けるのは理論上は効率的だが、「今日の決済はどのカードで払うべきか」を毎回判断するコストがある。自分はこれが地味にストレスだった。1枚のカードに集約して管理コストをゼロにする方が、トータルのQOLは高かった。還元率の差が年5,000円でも、毎回の判断ストレスとどちらが大事かは人による。
まとめ
還元率だけでカードを選ぶのは間違いではないが、基本還元率の数字だけを比べるのは不十分だ。重要なのは以下の3点。
- 自分がよく使う店・サービスに特約店還元があるか
- もらったポイントを実際に1円として使い切れるか
- 年間利用額と自分の生活パターンでシミュレーションする
「お得なカード」は万人共通ではなく、自分の消費データを分析してから選ぶもの。その手間をかけるだけで、年間1万〜2万円の差が出ることは十分ある。
※本記事は筆者の個人的な見解であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。金融商品の価値は変動し、元本割れの可能性があります。
